米国女子サッカー2部 SDパルセイロ:小瀬 和佳奈さん

弊社では女子サッカー事業の1つとして、米国女子サッカー2部リーグに所属する「サンディエゴ・パルセイロ・レディース」のチーム運営があります。
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SDパルセイロでは、毎年日本人選手の受け入れを行っており、今後の日米両国女子選手の育成の場、次のステップ進出へのきっかけを創造しています。

今年の参加選手にチーム参加の期間中、ウィークリーレポートを書いてもらうことになりました。
毎週レポートを更新していきますので是非ご覧ください。


初めまして、小瀬和佳奈です。
1年前に佐久長聖高校を卒業し、1年間TOEFLの得点を取得するために浪人し、今年9月からテキサス州のナバロカレッジに入学予定です。
この期間はサンディエゴパルセイロのチームに入りWPSLの試合に出場します。

ウィーク①

5月8日の午後に日本を出発し、5月8日の夕方ごろサンディエゴに到着しました。私自身、アメリカに来るのは2回目でしたが、前回行った地域よりも都会で周りの建物は高く、ダウンタウンという都会に近づけば近づくほどテントをたてて生活しているホームレスが多くいて、日本では滅多にみない光景に驚きました。

アメリカに来て初日にはバルボアパークというアメリカでセントラルパークの次に大きいと言われる公園に行きました。
思っていた規模とは全く違いました。公園の中には美術館、動物園、植物園などさまざまな施設が入っていて半日ではまわりきれませんでした。
近くにあるのでまたお散歩に行き、全てをまわり切ったら改めてレポートしたいと思います。

13日の土曜日にはコロナドアイランドという海に連れて行っていただきました。
海のない県に住んでいる私からするとすごくテンションが上がりました。海のすぐ近くには100年以上の歴史のあるホテルがあり、リゾート地の始まりと言われているそうです。
パーティー会場を観れる機会がありました。会場は想像をはるかに超える場所でした。
王冠の形をしたシャンデリアがあり、美術館のような形の屋根、ゴージャスな絨毯がひいてありました。日本では考えられないようなホテルでした。これだけの歴史ある壮麗なホテルに人生で一度は家族と一緒に滞在したいものだと感じました。

私生活は高校時代の後輩であるさきこさんと2人で生活しています。
高校は寮生活だったので洗濯や身の回りの整理、私生活の時間の管理は協力しながらもこなせていますが、一番苦戦しているのは食事です。
朝、昼、夜と3食自炊をしています。今まではサッカーの練習が終わり、家に帰ればご飯が出てくるということが当たり前でしたが、今は帰ってきてからご飯を作り始める。
どんなに疲れていても自分たちで作らないとご飯はありません。この環境に来て改めて両親のありがたみを実感しています。

まだまだレポートしたいことはたくさんあります。
たった1週間滞在しただけですが、こんなにも学んだこと、感じたことがたくさんあります。
来週はどんな7日間になるのかな とわくわくしています!2ヶ月間もこのような素敵で素晴らしい環境にいれることに感謝し、さらに多くのことを学んでいきたいと思います。
ありがとうございました!

ウィーク②

5月20日の土曜日にはサンディエゴパルセイロでの初めての試合がありました。
私にとってはアメリカで初めての試合で、この試合では多くの学びがありました。
私たちのチームはアマチュアのリーグですが、まるでプロのリーグでサッカーをしている感覚でした。観客席には多くのお客様がいて、両チームの選手の名前の紹介があれば、アメリカの国歌を歌うということを試合前にしました。
日本の女子サッカーのリーグでは毎試合国歌を歌うことはないと思います。ここでアメリカの愛国心を改めて感じました。また、アメリカの女子サッカーと日本の女子サッカーの差を実感することができたのも大きな収穫です。

サッカーの部分ではたくさんの課題を見つけることができ、アメリカの選手は体が大きくスピードがあると元から聞いていましたが、実際に戦ってみて私とは比にならない体の大きさとスピード感があり、ついていくのに必死でした。その中でも私の良さを出していかなくてはいけないと肌で感じることができました。
また、チームメイトとのコミュニケーションももちろん英語です。サッカーはチームスポーツなのでコミュニケーションは必ず必要になります。
特にセットプレーではマークの確認、立ち位置など声をかけなければいけません。気づいたことがあればすぐに伝えるべきですが、英語で伝えることに壁を感じ、結局伝えられずに終わってしまうこともありました。
そのような言語の壁は自分から突破していかないといけません。練習の時から常にコミュニケーションをとっていく必要があると感じました。来週にも試合があるので今回の経験を活かし、勝ちたいと思います!

私たちは毎週火曜日に「KIKU Garden」という老人ホームにボランティアに行っています。
ボランティアの内容としては施設で暮らしているお客様のためのお弁当を作ることです。そしてできたお弁当を各部屋にお届けします。
職員の方々は日本人の方もいればアメリカ人の方もいてみなさんボランティアで活動しています。英語や日本語でコミュニケーションをとり、助け合ってたくさんのお弁当を完成させます。私は私の叔母さんが日本で老人ホームで暮らしていたことがあったのでどのような施設なのかは想像がついていましたが、日本の老人ホームとは全く違いました。
アメリカの老人ホームはアパートのようになっていて、犬と一緒に暮らしている方もいました。日本では考えられなかったのですごく驚きました。そこで働く職員の方々は皆さん温かいです。私たちを歓迎してくださり、サンディエゴパルセイロの試合の応援にも駆けつけてくださいました。

日曜日にはUCサンディエゴという四年制大学の見学に行きました。環境の整ったサッカーグラウンドや陸上競技場、ジムがありました。学校の敷地はとても広く、学校の敷地が一つの街になるぐらいでした。
スーパーも敷地内にあり、また多くの寮もありました。私自身、四年制の大学の編入を考えているので、2年後にこのような環境の整った学校に行くためにはナバロ大学での勉強の成績、サッカーの成績が確実にハイレベルで必要になります。
今のままでは絶対にいけないという危機感と刺激を実感しました。

アメリカにいると1日でたくさんの刺激を受けるのであっという間に1日が終わり、あっという間に1週間が過ぎていきます。何も残らない1日、1週間にならないよう、気を引き締めて引き続き生活していきたいと思います!
ありがとうございました!

ウィーク③

5月27日の土曜日にホームでSD Surf と戦いました。
SD Surf は短いパスで繋ぎ、技術とスピード、強さを兼ね備えていました。初戦に戦ったSD Strikersとはまた違ったプレースタイルだったことが印象的です。
この試合も負けてしまいましたが、アメリカでもチームによってプレースタイルが異なり、さまざまな戦い方があることを学びました。相手によって守備の仕方や攻撃の方々はまた変わってきます。
そんな時に瞬時に相手のプレースタイルを認知し、適応していく能力も必要だと改めて感じました。

5月28日の日曜日にはSD SurfとSD Strikersの試合のスカウティングに行きました。
両チームともホームで戦いましたが、また来月には両チームとアウェイで戦います。私は初めてアメリカの公式戦をスタンドから観ました。やはり、上手い選手は目立っていました。
外からみてもSD Surfの選手たちの技術には圧倒されましたが、私たちのチームでも通用するようなプレーはたくさんあると感じます。
個人のプレーもチームのプレーもホーム戦の改善点をトレーニングで直していきたいと思います。

5月29日にはサンディエゴパルセイロの監督のチームのサマーキャンプのお手伝いに行きました。
私は7、8歳の子供たちの練習のお手伝いをし、5人の子供たちをコーチと一緒に教えました。こんなに小さい子にサッカーを教えることは初めての体験でした。
コーチは各トレーニングの最初にそのトレーニングの目的、重要なポイントを子供たちに聞くところから始まりました。すると、子供たちは一斉に手を挙げ、自分が持つ意見を共有していました。合っている、間違っているかは関係なく、自分の意見をコーチや仲間たちに伝えたいというみんなの取り組む姿勢に驚きました。私だったら合ってるか間違ってるかを怯えて、きっと意見を言えていないだろうと思いました。
小さい子供たちが練習に飽きないように、きりのいいところでスナックタイムといって、お菓子を10分ほど食べる時間がありました。
みんなで同じブルーシートに座っておしゃべりしながらお菓子を食べている姿を見てとても癒されました。

そんな中で、トレーニングの中で言い合いになった時もありました。その時も自分の意見と相手に何をされたのかをしっかりとコーチに伝えていました。
そんな時にコーチは叱らず、しっかりと話を聞いてから子どもにこれはいけなかった、これは良かったと教えていました。納得した子はすぐにトレーニングに戻り、終わり頃にはとても仲良くなっていました。

子供たちはサッカーを「楽しむ」と言うことを私に教えてくれました。上手くなりたい、試合に勝ちたいと思うのは選手として当たり前ですが、まずは「楽しむ」と言うことをみんなから改めて教えてもらいました。
私自身、最終的には子どもたちにサッカーを教えたいと思っています。
もし、選手同士がぶつかる時があれば一方的に怒るのではなく、両者の意見をきちんと聞いて、ダメだったこと、よかったことをきちんと説明できるコーチになりたいと思いました。

来週にはアウェイでの試合があります。ホーム戦とはまた違った雰囲気で戦うことになると思います。今まではアウェイ、ホームなど特に感じずにサッカーをしていたので少し楽しみです。アウェイでも相手の雰囲気に流されず、サンディエゴパルセイロのサッカーを魅せて勝ちたいと思います!
ありがとうございました!