コンフォートゾーンを飛び出した短期留学:相馬 龍輝さん

慣れ親しんだ毎日の行動をしている時やいつもの空間にいる時、安心感があり居心地が良いと感じます。それがコンフォートゾーンと呼ばれる心理領域です。
コンフォートゾーンにいる間は安心感を感じリラックスすることができ、ゆえにあまり成長を見込めないものです。
だからこそ、大きな成長を期待し目指す為にはコンフォートゾーンから出て、ストレッチゾーンと呼ばれる心理領域に踏み出すことが必要になります。
ストレッチゾーンとは見ず知らずの場所に行くことや、知らない人と会うこと、新しいことに挑戦することなどが該当し、そこでは想像もしていない出来事に遭遇したり、失敗したりするリスクもあります。
だからこそ、新たな視点を持てたり、視野が広がったり、かけがえのない経験を積めたり、人間的成長を期待できます。
留学はまさに、このストレッチゾーンへ飛び出しグローバルな人材としての人間的成長の機会を得る最適なものと言えるでしょう。

画像引用: https://km-webcreate.com/confort/

今回、2022年8月から11月の約2ヵ月半の間、長野県にある佐久長聖高校に在籍している相馬 龍輝さんはのアメリカ留学を通して、色々な経験をしてきたことで、自身のストレッチゾーンを広げる他、これからの進路のイメージも構築してきたりと、行動力を武器に非常に充実した時間を過ごすことができたようです。
この短期留学でどのようなことを経験して、学んできたのか、相馬さんにお話を聞きました。

留学に至った背景

「僕は保育園から小学校3年生くらいまでアメリカで生活をしていました。そのこともあり、また、現在通う佐久長聖高校もグローバル教育に力を入れているため、海外に目を向けるきっかけは多くありました。
アメリカ在住当時、英語力は日常会話ができる程度でした。そして、高校2年制になって進路を決める際に、特に英語をもっと学びたい、本場で使える生きた英語を使えるようになりたいと思い、高校卒業後の進路に留学を考え始めました。

ただ、高校を卒業後、急にアメリカの大学生活を開始するにも不安があり、高校生のうちにまずは下見も兼ねて、アメリカの学生生活の学習環境や生活環境を体感しに、2ヵ月半の短期留学をすることを決めました。

アメリカでの生活や勉強に対してはやる気十分でしたが、同時に行くにあたっては不安もありました。
僕の場合は特に移動が心配で、空港までの新幹線や空港内、フライトの乗り換えなどに関してはドキドキもしていました。ただ、順応できる自信はあったので、問題なく現地まで行くことができました。

この留学をするにあたって、両親も『自分がやりたいことをやってこい』とサポートしてくれて背中を押してくれました。非常にありがたかったです。」

語学学校の授業に参加して

「基本的にほぼ毎日語学学校で授業を受けましたが、全部が楽しかったです。正直楽しいしかなかったと思っています。
授業に参加するのがめんどくさいと感じることは一切なく、真新しい環境でとにかく全てが楽しかったです。

理由としては、授業の進め方や先生のアプローチの方法が要因だと思います。
アメリカでの授業は、先生に振られる回数、生徒が発言する回数が多く、とてもアクティブな授業でした。そのため、集中できてやる気もアップしていく日々でした。
それと、他のクラスメイトも優しかったというのも大きいです。

先生とのコミュニケーションでは、英語はわかりやすく、とてもフレンドリーで話しやすかったり、分からないところを聞けばすぐ教えてくれたりしました。
もちろん文法の授業では英文法を英語で学ぶのですが、これまでやったことのないことだったので、難しいと思っていましたが、英語で習った方がわかりやすいように感じ、授業の内容が身に付いたと思います。

もちろん授業を受けるだけではなく、課題も出ます。高校生からしたら量は多く、毎日しっかり時間を割かないと終わらなかったです。
予習や復習を含んでるものも多く、授業外で時間を取って課題をすることが大事だと思いました。
大学内にチューターという勉強を個別で教えてもらえる学習システムがあり、それも利用していました。
もちろん自分で勉強するのも良いですが、英語で他人に教えてもらうことで、課題の内容理解だけでなく英会話やリスニングの能力も鍛えられ、効率的に勉強ができたと思います。」

大学授業聴講への参加

「今回の留学プログラム中には実際の大学の授業を受けることのできる授業聴講も含まれていました。
基本的にその時に開講されている好きな授業を選んで参加させてもらうのですが、僕はコミュニケーション学の授業を受けてみました。

授業の内容は正直とても難しかったです。この時に初めて語学学校の先生が割とゆっくりはっきり話してくれていることに気が付きました。
教授はフランクで、生徒も各々意見を言いながら授業が展開されてて、展開が速かったのが印象的です。

授業内容は大まかな内容は理解はできましたが、専門用語がたくさん出てきてその度に調べながら聞いていました。
スピード感もあり、詳細がわからない部分もたくさんありました。

このコミュニケーション学の授業は週に2回ある授業で、毎授業終わった後どっと疲れていました。
クラスメイトはほとんど現地生で、彼らとも話ができたのが良かったです。日本が好きな生徒もいて、友達ができました。
アメリカの大学は、日本の大学のように多くが同世代ということもなく、クラスメイトの年齢やバックグラウンドは多種多様で、18歳から30代、フルタイムで学生をしている人や社会経験がある方、子育てをしながら大学に通っている方もいて、色々な意見や視点が聞けるので興味深かったです。」

アクティビティ

「語学学校や授業聴講以外にも色々なことができました。
ヨセミテ国立公園はとにかく広大でした。自転車を持っていって20㎞くらいサイクリングもできて疲れながらもとにかくすごい景色を見ながら、大自然を感じました。
出身地である長野県に少し似ていたり、空気もきれいで長野を思い出すタイミングでもありました。実はこのヨセミテが世界自然遺産にも登録されていることは後で知りました。

パンプキンパッチというハロウィンの催しにも行きました。これは、ハロウィンのシーズンに行われるカボチャ畑でのイベントです。
そこではカボチャを掘ったり削ったりして、ジャック・オー・ランタンを作り、小さいときぶりにやったので久々の感覚でした。
その敷地の中にはコーンメイズと呼ばれる大きな迷路も作られていて、20分くらい迷ったり楽しみました。
印象としては小さい子がたくさんいて、特に小学生の遠足なような形でも来ていたのも見たので、広い世代に楽しまれている本場のハロウィンを体験できて良かったと思います。

UCマーセッド(4年制大学)の見学では、大学内のキャンパスツアーに参加しました。4年制大学の印象は建物がきれいで、キャンパス内で電動スケートボードに乗っている学生がいたりと新鮮な学生生活が覗けました。
日本の大学の雰囲気とも違い、近未来というか最新の感じがあったのも印象的で、将来的に4年制大学へも行きたくなりました。
4年制大学は学費が安くはないので、その悩みがなければ、高校後に直で4年制大学に行くのも一つの道だと思いますが、2年制大学と4年制大学の両方を見ることができたので、2年制大学経由で4年制大学へ編入していくという進路に関してもはっきりとイメージができたので良かったです。

野球観戦もできて、日本でもそこまで野球観戦はしませんが、日本のスポーツの盛り上がり方の雰囲気が違うように感じました。
相手選手のミスを煽ったり、煽り返したり、場内アナウンスですらアウェーチームを煽っていたりと、アメリカのスポーツ観戦の雰囲気を楽しめました。
飲み食いをしながら、パーティをしているような感覚でスポーツを見に来ている人や、野球はそっちのけで屋台でただのんでいるだけの人もいて、日本とはスタイルの異なるスポーツ文化を体験できました。

マーセッドから車で2時間くらいにある、サンフランシスコへも観光に行きました。
ここではいくつかの観光スポットも見ながら、買い物メインで行動しました。
バスでユニオンスクエアという、ショッピングするならここという場所にバスで行き、とにかく都会だった印象で、高級ブランド品店やデパートなどが並んでいて、コーヒーショップやレストランなどもたくさんそろっていました。
都会でも雰囲気は東京とは違い、近未来な街のデザインや雰囲気を感じながら歩いてるだけで楽しい場所でした。

ホストファミリーとの生活

ホストファミリーとの生活を振り返ってみると、全体的には良い経験になったと思います。

今回の留学中のホストファミリーは70歳くらいのおばあさんという感じのホストマザーでした。1人暮らしをされていて、一緒に暮らしている間は本当の孫のように関わってくれました。普段から話しかけてくれ、家族として扱ってもらえてありがたかったです。
元々はUCマーセッドの生物の先生だったとのことで、知識も多い方で色々な話をしました。今日はどうだった?という学校の話をご飯を食べながらしたり、歴史やキリスト教の話もありました。
心配性な面もあり日常の色々なものに対しての知恵も教示してくれ、パスタのゆで方などの日常のことも習いました。

一方で、僕もホストマザーもはっきり言うタイプ同士で、意見の対立をしてしまうようなこともありました。特に覚えているのが、アメリカ人の中にはシャワーを毎日は浴びない方もいるようでホストマザーもその一人でした。
僕のシャワーの使用頻度で少し揉め、シャワーを毎日使わせてもらえないと言われたときもありました。
背景には、週3くらいの頻度でシャワーを浴びている生活文化であったことや、カリフォルニアは年中水不足で水代が高いことなどもあり、相手の意見も理解できるものの、こちらもしっかりとした生活をするために意見は言わなくてはいけないというところで、異文化で他の家庭にお世話になるということがどういうことなのか勉強になりました。
なんでもかんでも要求を聞いてもらうということでもなく、相手を尊重しながら多少の我慢は必要だと思います。

ホストで提供される食事は、サラダなどの健康面に気を遣ったメニューで、バランスよく出してもらっていました。
ホストマザーは、メキシカン料理が得意で、タコスやブリトーなども作ってくれ、僕はメキシコ料理好きなので良かったです。

家の中は綺麗な方だったと思いますが、日本の感覚だと少し引っかかるところはあったり、物の扱いが雑に感じてしまったりすることもありました。
他国に出て留学をする人は感じることだと思いますし、留学をするにあたってどんなことがあっても順応していこうとす覚悟もできていたので、ショックを受けるようなことはありませんでした。
日本が恋しくなる瞬間も少しありましたが、全体的に生活が充実していたので、時折寂しさもありながら楽しんでアメリカ生活を送ることができました。
良いこと、大変なこと、色々あり学びの多いホスト生活でした。

この留学の総括

これから学んでいく専攻についても考えるきっかけがたくさんありました。
どんな専攻を取るにしても日本人留学生には言語の壁が立ちはだかります。なので、授業選びも単位の取りやすいものを取りがちになるようです。
ですが、今後は日本人留学生がいない授業も取ってみたいと思います。もちろん授業内容を理解をするだけで大変ですがそういった大学生活のイメージもつきました。

今回の留学の大きな目的は、海外の大学にこれから進学したいと感じるかどうかを判断するためで、結果としては海外大学に進学していきたくなりました。
今は、日本の大学への進学は考えていません。
これからももっと英語を学んでいきたいと感じていて、アメリカでの留学生活では、色々なバックグラウンドの人が集まり、全員が英語でコミュニケーションを取れ、人と人の輪が一気に広がっていくことは改めて素晴らしいことだと感じました。

これからアメリカに留学する方々が予め知っておくと良いと思うことは、日本とは感覚が違うので、その中で順応していく覚悟が必要ということです。
アメリカの一般家庭の食事は思っている以上にギャップがあることもあると思います。

その他に、アメリカ生活で気を付けなければいけないことは、車です。日本に比べて全体的にスピード出しています。2ヵ月半ぶりに日本帰ってきて安全運転に感動しています。
日本より道は広いですが、普通の道路で100キロ近くだしていたち、自転車走行レーンは車道にあって恐い思いもしました。アメリカは日本より免許が取りやすい環境である分、繊細な運転はできない人も多いと思います。無免許運転も時折いるという話も聞いたので本当に気を付ける必要があります。

最後に、現地に行ったらとにかく自分から話しかける能動的姿勢が大切だと思います。
教授、先生、クラスメイト、チューターも聞けば教えてくれる環境ではあるので自分からアクティブに行動をすればやりやすいです。
とにかく自分でやるという気概が大切だとも感じました。
つい話しかけていいのかなと躊躇してしまうこともあるけれども相手はそれほど気にしていなかったです。
英語ができなくても、気にしていないですし、知らない人に話しかけられても気にしていないので、どんどん話しかけていっても全然大丈夫でした。


とにかく持ち前のコミュニケーション力や挑戦心で積極的に行動し、様々な場所で様々な人に出逢い、学びを深めてきた相馬さんの留学生活のお話が聞けました。
もちろん不安なことや大変なこともたくさんあったと思いますが、ポジティブに力強くなり越えてたくましくなって日本へ帰ってきました。
また、これからの進路についてもより明確にイメージができたようで、それをモチベーションに先を見据えながら残りの高校生活も頑張ってほしいです。

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