徳島県立海部高等学校が北カリフォルニア短期研修プログラムに参加

Y.E.S.グループではアメリカ現地オフィスと日本オフィスからのサポートを基盤に、海外留学を学生たちの最大の成長機会の一つと捉え、2018年から北カリフォルニア短期研修プログラム「Global Elite Program(以下:GEP)」という研修プログラムを実施しています。毎年参加している生徒はこの短期研修の活動拠点となる、マーセッドカレッジとの提携高校の生徒が中心になります。
今回は2023年7月20日~29日の10日間、徳島県立海部高校の生徒5名がこのGEPに参加しました。

GEPとは、将来の海外での修学(国内大学進学後の留学等含む)や就職を見据え、提携校マーセッドカレッジへの留学や現地でのホームステイ、様々な研修を通じて、異文化体験・異文化適応力を養うと同時に、自立心・自律心を養い、自学力を身につけるためのプログラムです。
このプログラムは、単に海外の空気を味わって「楽しかった」で終わってしまうような海外旅行の延長線上にあるプログラムではなく、参加した生徒たちが大きな刺激と経験を得ることにより、自己成長および自己実現への道しるべとなることを目標として実施されています。

GEPでは渡航前からの数回にわたるオンラインでの事前研修があり、アメリカに渡航しサンノゼ視察、サンフランシスコ視察、MLB観戦、語学研修、ボランティア参加、現地高校生との交流、大学見学、ヨセミテ国立公園視察などを中心に研修を受けます(内容は参加時期や期間、現地の受け入れ状況により変動あり)。そして日本帰国後、GEPに参加した他校の生徒と合同の成果発表会に参加しお互いの学びを共有し合うことでプログラムが完結します。

アップルパーク・ビジターセンター訪問

Apple Inc.(アップル)はカリフォルニア州クパチーノ(シリコンバレー内)に本社を構える世界有数のIT企業ですが、2017年に新本社の施設を建てました。
独特なフォルムの本社の隣にアップルパーク・ビジターセンターという施設があり、視察に行きました。

アップルパーク・ビジターセンターはデジタルとデザインが融合したアップルストアやカフェなど、最先端技術やデザインを目にすることができますが、
本プログラムのメインとして、アップル本社で勤務されている日本人の峯村涼子さんにお越しいただき、直接お話を伺いました。
生徒たちは峯村さんのお話を真剣に聞くことはもちろんのこと、積極的に質問もさせていただき、世界の最先端であるシリコンバレーでどのように働かれてきたのか、日本人として何を大事にされてきたのか、アメリカで働くためには何が必要なのかなど、経験に基づいた生のお話に興味津々の様子でした。
生徒たちにとって、世界の最先端で活躍されている方のお話は非常に心に響くものであったようです。

スタンフォード大学見学

世界大学ランキングで常に最上位に位置する教育機関であるスタンフォード大学を訪れ、キャンパスを見学しました。
スタンフォード大学は全米一美しい大学としても有名で、自然が豊かで東京ドーム700個分の規模の広大なキャンパスを持っています。
スペイン風のコロニアル様式の建築が多く存在し、キャンパスの中心部には1903年に完成した教会、メモリアル・チャーチがあり、今回は運良く中に入ることもできました。

同大学内にある大学院(スタンフォードMBA)にて、国内外問わず多方面で活躍する著名な経営者、企業家や政治家を輩出しているスタンフォード・ビジネス・スクールを見学しまし、教室内に入らせてもらうこともできました。

とにかく規模の大きさと、著名な卒業生の数々に圧倒された大学見学でした。

サンフランシスコ視察

サンフランシスコの主要観光スポットである、ゴールデンゲートブリッジ、Pier 39、ギラデリスクエア、ロンバード・ストリートを視察しました。

ゴールデンゲートブリッジへの視察のタイミングというのが午前中ということもあり、少々雲がかかってしまっていましたが、生徒たちはそれも風情があるといいながら喜んでいる様子でした。本来であれば真っ青な空や海、それに映える赤い橋が印象的で世界一美しい橋と称され、今でも毎日多くの人が訪れる名所になっています。

ピア39はサンフランシスコで一番人気の観光スポットであると言われており、いつも多くの人で賑わっています。自由時間もとりながら様々なお店や施設を回り、現地の空気を存分に感じました。

その他にもギラデリスクエアというレトロなチョコレート工場の雰囲気を残したままショッピングセンターになっている観光地でお土産を購入したり、ロンバード・ストリートという急勾配に8つの急カーブのある有名観光地を見て回りました。

サンフランシスコは海沿いで港や交易も盛んにおこなわれており、崖を切り拓いて開拓された背景もあり坂の多い街並みです。さらに様々な国籍の人が混ざり合いながら、新しいものと古いもの、時代の最先端とのんびりした雰囲気、そして都会と田舎が同居する、独特の文化が形成されています。
その雰囲気の中に入り込み、生徒たちはこれまで過ごしてきた日本、徳島県、海陽町との違いを感じることができたようです。

語学研修への参加

マーセッドカレッジの付属語学学校に通い、語学研修を行いました。
ホームステイ先から通学し、実際の留学生と同じスケジュールで生活し、アメリカでの学生生活を感じながらの生活になります。
もちろんすべての授業内容は英語での説明で、普段は日本語で習う文法の説明なども全て英語の解説であり、新鮮であったとの声があがっていました。
授業内でも発言をしようと挑戦している様子が見られ、積極的な姿勢で授業を受けていました。

ヤマトコロニーの見学

マーセッドから車で30分ほど移動するとリヴィングストンという街があり、その街にあるリヴィングストン・ヒストリカル・ミュージアムに訪問しました。

リヴィングストンには、20世紀の初めにヤマトコロニーと名付けられた、日本人による入植地が拓かれ、町の形成に大きな役割を果たした歴史があります。

日本人のアメリカ本土への渡航は1880年代から始まり、西海岸には働きながら学ぼうという学生や出稼ぎ労働者などが押し寄せました。
カリフォルニア、オレゴン、ワシントンなどの州では、そのほとんどが農場での作業に従事したり、林業、鉄道、水産関係の現場で、雇われ労働者として働いていたそうです。
しかし、その数が急増すると白人社会から排日運動が起こり、1907年には日米間では日本からの移民を制限するという「紳士協定」が結ばれました。
こうしたなかで、個々に労働者として働くのではなく、定住を目指し一つの理想を掲げたコロニー(入植地)をつくろうという事業計画が日本人のなかから出てきました。
それがヤマトコロニーです。
日本人の定住計画の一つとして集団移住による農業入植地の建設が計画され、このヤマトコロニーはカリフォルニア州中部のリヴィングストンという町に定められ、1280エーカーの土地から始まりました。

参照:https://discovernikkei.org/ja/journal/2013/9/20/yamato-colony-1/

このような歴史に現地で触れ、日本人がリヴィングストンにてどのように生き残ってきて、社会に内をのこしてきたかという記録が様々な資料を通して目にすることができ、生徒たちも先人たちの生き方に刺激を受けているようでした。
また、リヴィングストンにお住まいの日系3世のシェリルさんという方も来てくださり、生徒たちと話をしてくださいました。
日系の方がアメリカで日本人の心を少しでも残そうとしてくださっていることを実感している様子で、改めてこれから繋いでいかなくてはいけないものがあることを実感しました。

ボランティアへの参加

マーセッドカレッジ内で行われている地元の学生向けのサマークラスのボランティアに参加しました。
マーセッドカレッジでは、地域の青少年への教育と充実した教育へのコミットメントの一環として、夏季に「College for Kids」というプログラムを開講しています。
そのクラスの1つに水泳プログラムがあり、海部高校の学生は今回その受付業務と子供の安全管理やその他のサポートを任されました。

参加している子供や同世代の高校生ボランティア、現地のスタッフとコミュニケーションを取りながらボランティアを行いました。積極的にコミュニケーションを取り、自分自身でやれることを見つけてボランティアに臨み、アメリカでの貴重な経験をしっかり自分のものにしようとしている姿が見られました。

カンバセーションパートナー実施

マーセッド市内のエルキャピタン高校に訪問し、対面のカンバセーションパートナーを実施しました。
現地の学生が6名集まってくれ、30分ほどの1対1のセッションを3回実施できました。事前学習の際にZoomを通して現地の高校生とカンバセーションパートナーを行っていますが、対面となると雰囲気も変わり初めは現地の学生も海部の学生も緊張している様子でしたが、話をしていくうちにだんだんと緊張もほぐれ、最後の方には話が尽きない様子でした。
また、海部高校の生徒の中には、自分で折り紙やけん玉を持参し、現地の学生にけん玉のやり方を教えたり、一緒に折り紙を折ったりしている様子もみれました。
けん玉も事前に日本で練習をしてきたとのことで、今回のプログラムに参加するにあたり、自分自身で様々工夫をして準備をしてきているようでした。
参加生徒の5名ともが積極的に会話をする姿勢が感じられ、とても濃い時間を過ごせました。

ホームステイ滞在

多様性に富んだアメリカの地で、現地の家庭に身を置いて生活をしました。研修以外の日常生活においても、できるだけ多く英語に触れ、異文化交流をしながら新たな学びやコミュニケーション力を鍛えました。
中には日本から持ち込んだお蕎麦やそうめんをホストファミリーに振舞い、日本食文化を伝える活動をした生徒もいました。
異文化の中に入って学ぶだけでなく、自分たちの文化を伝えることもまた非常に良い経験だったようです。

大学授業聴講への参加

マーセッドカレッジでは、教授の許可が下りれば大学内で開講されている授業を聴講させていただくことが可能で、アメリカの大学で実際の授業がどのように展開されているかを直に学ぶことができます。授業内容やレベル感はを見ることはもちろん、教授やクラスメイトとのコミュニケーションがとれることもあり、GEP以外での短期プログラムの生徒に人気のプログラムになっています。

今回は、化学の授業の聴講をさせていただきました。
難しい内容でしたが、生徒たちは同じテーブルに座った現地のクラスメートのサポートも受けながら、必死に授業に参加をしていました。
英語を学ぶのではなく、「英語で学ぶ」ことの難しさと楽しさを感じることができたようです。

UCマーセッド見学

UCマーセッド(University of California, Merced)は10校あるUCシステムの中で一番新しく、2005年に創立されたばかりの大学です。
全米でも21世紀で一番最初に設立された研究大学としても知られています。
工学部や自然科学、社会科学・人文科学と芸術といった分野の学部が設置されている4年制大学です。

今回見学したタイミングは、夏休み中ということもあり、ほとんど学生はいませんでしたがキャンパスの大きさや敷地の広大さに終始驚きを隠せない様子でした。
UCの学費などの説明を現地スタッフから受けながら見学をしました。

ヨセミテ国立公園の視察

マーセッドから車で1時間半ほどの位置にヨセミテ国立公園があります。グランドキャニオンと並んで有名な国立公園であり、世界遺産に認定されています。
山脈、渓谷、断崖絶壁、緑豊かな森、大きな滝、綺麗な水辺と、多種多様な景色があり、日本の上高地や南アルプスを連想させます。
人の手が入っている地域は公園全体のごく僅かで、大部分に手付かずの自然が残されています。

生徒たちはヨセミテに向かう道中の景色から興奮気味で、ヨセミテの壮大さに感動しながら、美しい自然環境を保全することの大切さを学びながら、自然に触れることができました。

ハイライト動画(海部高校ウェブサイト)

海部高校のウェブサイトに本短期留学のハイライトビデオを掲載いただいています。

海部高校のウェブサイトはこちらから是非ご覧ください。

https://lin.ee/02pOWJc