アスレティックトレーナー短期研修 留学レポート:武田 颯太さん

武田 颯太さんは、現在東福岡高校の高校3年生です。
野球部を引退したあとすぐ、夏休みの期間を利用してカリフォルニア州にあるマーセッドカレッジに短期留学をしました。

今回の短期留学を振り返りながらお話を聞きました。

短期留学に挑戦したきっかけ

「野球をこれまでやってきていて、将来もスポーツに関わる仕事をしたいと考えることが多く、アスレチックトレーナーという職業に興味があったので調べていました。
するとアスレチックトレーナーの先進国はアメリカで、アメリカでしか取れない資格の存在などを知り、もっと詳しく情報を集めてどんな選択肢を持つことができるのかを知りたいと思うようになりました。
そこで、夏休みの間に本場のアメリカでのアスレティックトレーナーの活動や大学のアスレティックトレーニングプログラムを見に行きたいと思い、短期留学を決意しました。

最初は迷いや不安もありましたが、それ以上に挑戦したい気持ちが強かったため踏み出すことにしました。
事前に色々な情報共有や説明はあったものの、それでも知らない土地に行くことや、銃社会であることなど、多国籍社会で生活することも未経験だったため恐さがあったのは正直なところです。
ただ、食文化などは日ごろから好き嫌いはなく、スポーツという共通点がある為、そのあたりは気にならずに渡航をしていきました。

高校卒業後の大学進学も視野に入れていたので、とにかく行って現地の様子を自分の目で見て雰囲気を感じてくるという強い想いで準備をしました。
加えて、アスレティックトレーナーに関する現地の生の情報集めや、活動を直接見たり、サポートをさせてもらえるという点はとても楽しみにしていきました。」

語学研修

「滞在期間中の平日はほぼ毎日、午前中にマーセッドカレッジの付属語学学校で授業を受けました。
語学学校は英語を学ぶ人向けのカリキュラムなので、日本人留学生の方もクラスにはたくさんいました。難易度はそこまで難しくないと感じ、ついていくことができないということもなかったので良かったです。

楽しく周りの学生と学んでいける雰囲気で、先生方の雰囲気もフレンドリーで優しく、ミスをしても大丈夫という空気を作ってくれているので、全英語の授業でも思い切って発言をすることができました。

日本の授業のスタイルとはすべてが違ったように思います。
飲み物や軽食を自由にとることが可能だったり、トイレに行くのに黙って出入りしたり、自由さがありました。ただ、同時にすべては自己責任であることは感じ、授業の内容や説明を逃してしまったり何をメインにとらえて授業を受けていかないといけないかをしっかりと自己判断できないと、緩んでしまうと感じました。

あとは、自分の英語力の低さは痛感しました。おおよそのことを伝えたり理解することはできるものの、詳細や深堀した内容を自分の言葉で話すことができなかったり、言いたくても言えない言葉などもあり、悔しい思いをしました。」

大学授業聴講

「アメリカの大学生活を実際に見て進学のイメージを作ることも今回の短期留学での目的であったため、大学で実際に開講されている授業に聴講生として参加をしました。
参加をしたのはイングリッシュのクラスで、英語を母国語としない生徒向けの授業でした。

語学学校と違い、レベルが高くスピードも速いと率直に感じました。クラスメイトはメキシコ、香港、台湾、中国の方々が多いクラスで、特に印象に残っているのはそのクラスメイトたちの英語力の高さでした。
日本人はスピーキングが苦手だとよく言われていますが、そのクラスメイト達のスピーキング力と同じクラスにいた日本人留学生のスピーキング力は差があるように感じたのは正直なところで、今後自分にとってもスピーキングは大きな課題になると強く感じました。

日本の大学のように同世代が固まっているわけではなく、色々な年齢層の方がクラスにいて、それも興味深かったです。60代の日本人の方もクラスにいて驚きました。

授業についていくにはもっともっと英語力が必要だと感じながらも、同時にしっかりと授業についていけるように頑張ることのできる可能性を感じました。
1つの授業時間も長く、そのあたりはしんどさもありましたがとにかくたくさんの英語を浴びることができたのは非常に良く、日を追うごとにリスニングの感覚が研ぎ澄まされたのを実感できました。

現地スタッフの方が最初の授業で教授に紹介をしださったおかげで、自己紹介などもスムーズに行えてクラスに馴染むことができ、発言できるタイミングでは挑戦することもできました。」

アスレティックトレーナー活動

「今回の短期留学中は、主にアメリカンフットボール部の練習と試合に帯同しました。
仕事の内容はとにかく見て覚えて、やれるようなことはサポートすることを徹底しました。
練習日はアメフト部の生徒以外のスポーツの選手たちがトレーニングルームにテーピングやアイシングを求めて訪れます。どのような流れで選手たちのサポートをするのか2、3日経つと大まかな流れがわかり色々と動けるようになりました。

自分のできることとしては、アイシング用に小さいビニール袋に氷をいれて、アイスバッグを作ることが主で、そのアイスバッグが必要な選手にどの部位に必要なのかコミュニケーションを取りながらラップで巻いてあげるということでした。

同じトレーニングルームで、2名の先輩日本人留学生が学生トレーナーとして働いていて、その方々に色々と教えて頂き、とにかく優しくしていただきました。
その先輩方はアスレティックトレーナーの活動で忙しいにも関わらず、他の授業の成績もほぼオールAで、とにかく頑張って学生生活を送っている印象で、とても刺激を受けました。
その方々がロールモデルのようになり、アスレティックトレーニングを学びに長期の留学をしたいという欲が増しました。
アメリカでアスレティックトレーナーの資格を取得するには、大学院への進学が必要です(AT留学詳細情報はこちら)。当然高いレベルを目指すともっと英語力も知識も必要になるので、本当に頑張らないといけないと思いました。

忙しい毎日で体力勝負のところもありますが、やりがいを感じることができるのきついとは思いませんでした。とにかく楽しく、気を配って色々なものに目を向ければ向けるほど新しい発見があり、目の前のことを全力で取り組むことができて良かったです。」

ホストファミリーとの生活

「今回お世話になったのは、マーセッドカレッジの近くに住んでいらっしゃる老夫婦の方々でした。ものすごく優しかったです。
過去にも日本人の受け入れをしていて、日本の文化をたくさん知っている方々だったので話せることもたくさんありました。

留学期間中に誕生日だったのですが、ホストファミリーの方々が盛大に祝ってくれたのが特に印象に残っています。
日本の誕生日はどんなことをするかなどの話をしながら文化交流ができましたし、アメリカも日本と変わらずケーキやプレゼントでお祝いする形であることがわかりました。
マーセッド特産のピスタチオや、日本には売っていないスナックやチョコレート、石鹸などのギフトを頂き、6歳のお孫さんからは手紙をもらいました。
その他日本にいる家族用にもギフトをいただいたり、本当にありがたかったです。

ホームステイ中の食事は思ったよりもヘルシーだったと思います。
大学のカフェテリアで昼食をとって生活しましたが、野菜は少ない印象で、ホストでは野菜やフルーツが多く出てきたので、体調も良く生活できました。
ホスト外の食事はやはり、アメリカらしいジャンクフードも多かったです。

アメリカでは日常的に湯船に入る文化はあまりないようで、シャワーがメインの生活だったため、日本での生活のように湯船で疲れを癒すということができないと学びました。

ホストに入居した際にハウスルールがあり、そこには洗濯は基本的に週に1回週末に洗濯機と乾燥機を使用して良いという話でした。
共同生活のルールがしっかりあってお互いが心地良く生活できるようになっていたのも印象に残っています。

その他にはコストコやカリフォルニア発祥のIn-N-Outというハンバーガーショップにに連れて行ってもらったりしました。
ホストファザーがカナダ縦断旅に出るようなアクティブな方で、アメリカの国立公園などの写真を見せてくれ、お話がたくさんできました。
とにかく色々な形でコミュニケーションを取ってくれたホストファミリーに感謝しています。

家では課題などもしっかりやっていました。日記も毎日英語で書くようにしていて、時間はかかってしまうもののタイムマネジメントをしながら頑張れたと思います。」

その他の課外活動

「マーセッド市内にある、4年制研究大学「UCマーセッド」を見学に行きました。
とにかく規模の大きさに圧倒され、衝撃を受けました。割と新しい大学ということもありますが、後者もきれいで驚きだらけでした。実際に4年制大学も見ることができて、2年制大学との違いもわかりましたし、将来的に4年制大学で勉強したいという想いが強くなりました。百聞は一見に如かずとは言いますが、まさにその通りで実際に見れて良かったです。

また、サンフランシスコの視察もできました。
マーセッドからサンフランシスコは車で2時間半ほどかかるので、マーセッドを朝早く出発していきました。
この日は特に濃い一日で、有名な観光スポットを回りながら、海沿いの都会の景色や街並みを楽しみました。
サンフランシスコは人の数も多く、移民の方や観光客の方、とにかくたくさんの人が入り乱れていて、買い物一つにしてもコミュニケーション能力は必須だと感じました。
一緒に視察をさせていただいた方が、その時期にマーセッドへいらした日本からの大学院生の方と現地オフィスの社長さんだったので、道中の会話も少し大人な内容でビジネスのことなど、普段なかなか耳にできない話も多く、そこもとても勉強になりました。
将来的にビジネスを学ぶのもおもしろそうだと感じました。」

今回の短期留学の総括

「留学に挑戦する前と後では留学に対する印象は180度変わりました。

不安な気持ちでアメリカに着くまでが大変だったのはあります。ただ、とにかく思い切って自分からアクションを起こすことが大事だということに改めて気が付きました。
わからないことがあれば、恥ずかしがらずに人に聞けば人が助けてくれるというシーンがこの留学中にありがたいことにたくさんありました。周りの方々の優しさも一因ですが、それはアクションを起こすことができたからだと思います。

大学生活のイメージがしっかりとつかめ、4年制大学も見ることができ、今回の留学の目標はしっかり達成しながら学びを深められたと思います。
現地のアスレティックトレーニングプログラムも環境が整っているので、学べるものも多かったです。
また、出会った学生トレーナーの方々の存在も大きく、ロールモデルとして自分の将来を想像できました。

あとは、これまでの自分の視野が少し狭かったことに気が付きました。アスレティックトレーナーに一直線で物事を考えていましたが、それだけではなく、それ以外の物事や考え方、生き方がある中で、今は自分の目の前のものに集中して頑張って前に進むような、視野を広めながらも将来の為に学びと経験を深めていけるようにいたいと思いました。

次のステップに進むためにはまずは英語が一つの大きな壁になるかと思います。
現地の先輩留学生には毎日単語を200個ずつ勉強していて、授業にでて、課題をこなして、アスレティックトレーナーの活動をして、ジムに通うという生活をしている方もいて、自分はなにをやっているんだろうと思い知らされ、そういった方々に早く追いつきたい、それだけでなく追い越したいです。

高校生が2週間研修に来ているだけなのに、現地の留学生の方々が暖かく迎えてくれたのも良い思い出です。
ウェルカムパーティを開いてくれたり、公園でサッカーや野球、バスケをしてハンバーガーを食べに行ったり、ホームステイ先の裏庭で焼きそばをみんなで作ったり、バケツみたいな大きさのアイスを食べたりと、人の縁も感じることのできた短期研修でした。

これからは今回学んだ、自分からアクションを起こすということを徹底して、頑張って目標を目指していきたいと思います!」


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