アスレティックトレーナー(AT)とは
アスレティックトレーナーは、各スポーツの競技者(スポーツ選手)が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、健康管理やスポーツ障害・外傷の予防、応急処置、リハビリテーション、体力トレーニング、コンディショニングなどを行い、多様な面から競技者を支える仕事です。
近年ではスポーツ意外にも企業やNASAなどで、たくさんの人の健康管理を任される働き方も増えてきています。
アメリカではアスレティックトレーナーは、看護士や理学療法士と同じ準医学従事者として扱われ、職業とするためには、アメリカの国家資格である全米アスレティック・トレーナー協会(NATA / National Athletic Trainer’s Association )認定資格を取得する必要があります。
そして認定資格を持っているアスレティックトレーナーのことをNATA公認アスレティックトレーナー、又はATC(Certified Athletic Trainer)と呼びます。
NATA認定資格
NATA認定資格は、米国医学会(American Medical Association)によって認められた準医学従事者として扱われるアメリカの国家資格です。
アメリカ国内で働くスポーツトレーナーの約95%以上がNATA認定資格を持っており、NATA認定資格を保持していなければ、アメリカの様々な業界で独立したトレーナーとして活躍することができない現実があります。
現在、NATA認定資格を得る為にはアメリカの大学院でアスレティックトレーニングの修士課程を修了しなければATになるための国家試験を受けることが出来ません。
日本の高校、専門学校、大学のどのルートを通っても大学院への進学は必要になりますので、注意が必要です。
NATA認定資格 取得条件
1. CAATEが認定する大学院のアスレティックトレーナープログラムを卒業
CAATE(アスレティックトレーニング教育認定委員会 )は各大学のアスレチックトレーニングプログラムを管理する団体です。
CAATEに認定されている学校は全米に約350校。CAATEホームページから現在認定されている学校を検索することができ、費用別や学校のレベル別など自分に適した学校を調べることが可能です。
2. 規定の時間以上のインターンシップやフィールドワークへの参加(目安:卒業までに700~800時間)
3. 大学院を卒業後、BOC Certification Examに合格
BOC Certification Examはエントリーレベルのアスレチックトレーナー資格を発行する機関による認定試験です。卒業後にこのBOCの試験を合格した学生に対しは、BOCアスレチックトレーナー資格が与えられ、NATA公認のアスレチックトレーナーとして活躍することが可能になります。この資格は、日本を始め世界各国で認められています。
こちらの試験は以下の5つのカテゴリーに関する試験になります。
- 傷害・疾病の予防と健康維持
- 臨床評価とその診断方法
- 応急処置と救急処置
- 治療的な介入の手順
- 医療管理と職務上の責任について
NATA認定資格 取得条件
高校卒業後、2年制大学を経て、4年制大学の3年次編入をし、その後大学院へと進む方法と、高校卒業後、直接4年制大学へ入学し、その後大学院へ進む方法の、大きく分けた2つの留学方法があります。
弊社ではアスレティックトレーナー留学の場合、2年制大学経由の留学をおすすめしています。
2年制大学経由のメリット
- 留学費用を抑えることが出来る。
- 英語力が低い状態でも進学が出来る。
- 返済不要の奨学金取得の可能性あり。
- NATA取得への現地の生の情報や、実地研修での経験が出来る。
アスレティックトレーナー留学の場合、大学院まで卒業する必要がある為、その分通常の留学よりも費用がかさんでしまう現実があります。2年制大学の学費は4年制大学に比べると大学によっては半分ほどの費用で留学をすることが出来、最初の2年間で学費を節約し、大学院進学までを視野に入れることが出来ます。
4年制大学に直接入学するためには高い英語力(TOEFL iBT 61~90)を求められますが2年制大学では英語力(TOEFL iBT 45~61)の基準が低めに設定されていることもスムーズな進学を進めていく上ではメリットになります。
日本の大学や専門学校を卒業後、上記のような進路のルートが考えられます。
日本の大学を卒業後、アメリカの大学院に直接進学できる生徒は数少ないというのが現実です。理由としては、授業の単位が全て変換できなかったり英語力が足りないといったことが多くあります。
日本の大学を卒業後も2年制大学へまずは進学し、必要な単位を履修しながら英語力の強化を行う生徒は多くいます。進学先を決める際には実際にこれまで履修した単位がアメリカの大学院でどこまで単位変換が可能であるかも知っておく必要があります。
大学院への出願プロセス
NATAを取得し、アスレティックトレーナーを目指した留学をする場合、アメリカで大学院まで卒業する必要があります。
その大学院のアスレティックトレーナープログラムに出願する際の条件やプロセスをご紹介します。
アスレティックトレーナーのキャリアプラン
NATA認定資格を取得した後のキャリアとしては世界最高峰の現場での活躍が多くのアスレティックトレーナーの目標となっています。
例としては、
- プロスポーツ界の現場で選手のサポート(MLB、NBA、NFLなど)
- 世界で羽ばたく演者のサポート(シルクドソレイユ、ディズニーなど)
- 学生アスリートのサポート(大学、高校、中学など)
- 医療分野(病院、リハビリセンター、クリニックなど)
- その他企業でのサポート(NASAなど)
があげられます。
ただ、NATAを取得したからといって、これらの職に就けるというわけではなく、現地のアスレティックトレーナーたちとの競争にも勝たなくてはいけません。ですので、費用面や進学ルートなども考慮した長期的なプランを考えながら、アスレティックトレーナーを目指すぶれない信念と熱い思いが非常に大切になってきます。
実際の留学生の活動の様子
学生トレーナーとして奮闘する留学生
実際にアスレティックトレーナーを目指している生徒にオンラインでの対談に出演していただいています。
現役生ならではの視点やアドバイスなどが話にあがっているのでアスレティックトレーナーを目指す方へは非常に有益です。
留学費用の例
上記の2名は2年制大学を経由して、4年制大学、大学院へと進んでいます。
一般的に2年制大学は4年制大学と比較しても費用が安いため、このような進学ルートだと留学費用を抑えることが可能です。
また、大学内では奨学金制度や授業料免除のシステムなども大学によっては存在するため、取得条件を満たせる成績を高くキープする等の努力次第で、更に留学費用を抑えるための工夫ができます。