アスレティックトレーナーを目指して4大へ編入:宮田 郁海さん

現在カリフォルニア州立2年制大学マーセッドカレッジで留学生活をしている宮田 郁海さんに話を聞きました。
宮田さんは2020年から留学生活を開始し、2022年の秋にアラバマ大学(4年制大学)の3年次編入を予定しています。

記事の原文はマーセッドオフィスウェブサイトをご覧ください。

マーセッドカレッジ進学の経緯

「日本では、すでにトレーナになる意志を固めていたので、高校を卒業したら留学することを決めていました。高校の部活が終了したと同時に、留学エージェントで学校終わりに英語を集中的に勉強しました。留学エージェントで、トレーナを目指すならMerced Collegがいいと勧められたので、Mereced Collegeに進学することを決めました。コロナの影響で高校を卒業して半年間は留学を延期し、秋学期に留学を開始しました。」

2年間の学生生活

「入学後は、現地の時間に合わせて早朝から日本でオンライン授業に参加しました。海外経験がなかったこともあり、初回からオンラインで授業を受けることに苦戦しました。
授業を聞くこともそうですが、質問があった際に先生に直接聞きに行けなかったのが一番困りました。
メールでのやり取りは、時差や英語力の問題で教授とスムーズにコミュニケーションが取れないことが成績に影響しました。他にも、自分のペースを作るのにも時間がかかり苦戦しました。

その後、渡米してからは良いホストファミリーに出会えたのが嬉しかった一方、(自分の英語力や孤独感で)友達や先生に話しかけたり新しいことに挑戦したりするのにも戸惑っていました。
今思えば、少し萎縮しすぎていたのかもしれません。留学後半は専門科目が増え、理系科目に苦戦しました。

また、2年間を通して授業後にトレーナー室によく通い、実践的な経験を積みました。Merced College では、実際のトレーナーとともに選手にテーピングやクーリングを直接できるのが特徴です。僕は、なるべく多くの選手と関われるように午前中に授業を組み午後は夕方までトレーナー室にいました。
強制ではないのですが、毎日長時間トレーナー室に通っていたので選手に名前を覚えてもらったり、指名してもらえるようになったことがとても嬉しいです。
休日はできる限り多くの試合について行ってトレーナとしてサポートをしていたので、学業とトレーナーの勉強を両立しながら休みなく有意義な2年間を過ごしていました。

日常生活では、スポーツソサイエティーという団体のpresidenet(部長)を務めました。リーダーシップを学ぶという経験や、日本人留学生のコミュニティーを広げるなど、自分にとっても他の留学生にとっても価値のある活動ができました。」

キネシオロジー(運動生理学)について

「キネシオロジーとは、スポーツトレーナーになるための学科の一つで、他にもexercise sportという名前の学科もあります。
他の学科と同じく、英語や数学などの教養科目もとりますが、この学部ではバイオロジー(生物学)やケミストリー(化学)など理系科目が多くなります。
理系科目を受けるにあたって、難易度が高いことや実験が多いこともあり、対面授業で受けることをお勧めします。また、キネシオロジーではスポーツ経験者がほとんどで、体育会系な雰囲気がありますね。

Merced Collegeでキネシオロジーを専攻するメリットとして、日本よりも技術が高いことが挙げられます。さらに、community college (2年制大学)でも専門的に学ぶことができます。実践的な訓練や授業の難易度で、他の学部よりも忙しくなる傾向がありますが、デメリットは思いつきません。」

4年制大学への編入

「編入を志したのは、トレーナー資格「NATA」を取るために必要だからです。(アスレティックトレーナー留学の詳細はこちら)
ちなみに、4〜5年前にNATAを取得するためには大学院卒業資格が必要になりました。なので、大学に3年次編入して2年間を終えたら大学院に進学する予定です。
スポーツトレーナー資格を取得するにあたって日本に帰る選択肢もありますが、僕はスポーツトレーナーが発展しているアメリカで学び続ける事にしました。ここまでは計画通りでしたが、計画を変更した部分もあります。

当初は日本には帰らないつもりでいましたが、経済的理由と大学院の入学時期(春学期)に合わるために一時的に日本に帰ることになりました。
アメリカでの就労ビザの取得は難しくなっていますし、現在は円安が進んでいます。また、アメリカでは秋学期入学が主流ですが、スポーツのシーズンが夏に多いため、大学院でキネシオロジーを専攻する場合は春学期が主流の入学時期になっています。
日本とアメリカのシステムや学校・学部などによってかなり違いがあるので、リサーチをすることはもちろんですが、色んな可能性を考えて柔軟な考えが必要かもしれません。

経済的困難や言葉の壁もありますが、奨学金や語学学校などの支援もありますし、トレーナになるにあたってアメリカで学ぶ事は必ず強みになるので、貴重な実践訓練ができるマーセッドカレッジとアメリカの大学への編入をお勧めします!」

ここまでの2年間を振り返って

「試験期間やシーズンの時は特に忙しく、自分の時間を削って勉強時間を作ったりトレーナーアシストをしていました。
トレーナーとして選手とコミュニケーションをとりたいのに、英語が通じなくて萎縮してしまっていたこともあります。
それでも、積極的に授業で関わった友達と話したり、ホストファミリーに色んな所へ連れて行ってもらったりと、自分から行動すること、そして与えられたチャンスを逃さないようにしていました。
これらはピンチをチャンスに変えたキーポイントだったのではないかなと思います。僕にとってアメリカで刺激の溢れる生活は自分にポジティブな影響しか感じませんでした。後悔は一つもありません。忙しくも充実した日々を過ごせたことにとても満足しています。」


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