アスレティックトレーナーを目指しアメリカへ:友重 大和さん

進路を決める際、たくさんの迷いが生じます。どの道が良いのか考え込んでしまいなかなか前へ進む決断ができないこともあるでしょう。
今回お話をきいた友重大和さんも高校生の時に進路選択の際に悩んだそうです。色々なことを考え、紆余曲折をしながらも周りの方々からのアドバイスや、親御さんとの約束など、決意を固めるきっかけがあり、アメリカに留学をしてアスレティックトレーナーになるという決断をしました。
アメリカに到着してからはこの進路選択は間違っていなかったと確信できるほど充実した生活を送っています。

2022年9月からマーセッドカレッジ生として大学生活を送る友重さんに、留学前から現在の留学生活とその先の目標まで話を聞きました。

留学に至るまで

「私は小学生の頃からテニスをしています。小中はクラブチーム、高校からは部活動に所属していました。高校は大阪にあるテニスの強豪校としても知られる清風高校で、スポーツ推薦で入学しテニス漬けの高校生活を過ごしました。
もともと海外での生活への憧れはありましたが、留学というものを認識し始めたのは高校に入ってからです。テニスでお世話になっている知り合いの方の紹介もあり、そこから色々と留学の情報を集めだし、特にスポーツ関係やアスレティックトレーナーに興味があり、それらの情報を中心にまずはよく知ることを意識しました。

アメリカに留学に行くということを考えていくならもちろん、英語ができなくてはいけないので高校2年のコロナ禍で休校が続いた時期に英語の勉強に手を付けだしました。ただ、英語に触れ始めたものの、アメリカへ留学をするという決心は全く固まらずにもいました。
その頃、高校の英語の先生にどんな進路を考えているか聞かれることがあり、その時に留学にも興味があると伝えたのですが、実はその先生も留学経験者で私のアメリカ留学に関して背中を押してくださいました。それが英語の勉強のスイッチが入る瞬間だったと思います。

その先生にも勉強をお手伝いして頂きながら、別でオンラインの英語レッスンも受けるなど、勉強時間を増やしながら留学をしていく方向で考えていました。そのまま高3の夏を迎え、テニス部を引退するタイミングで勉強もさらに力を入れていったのですが、ここでも再度進路をどうするか迷って悩んだ記憶があります。
というのも、父の事業を高校卒業後に手伝いながら将来的に継ぐという選択肢もあり、実際にこれまで店舗にお手伝いをしに行ったこともあり、進路としてのイメージがしやすく、やりがいを感じることもわかっていたからです。
そういった道もありかと思えば思うほど、迷いが生じて気持ちが揺らいでしまい勉強は続けているものの高3の1月ごろまで熱が入らなかったです。
その時にいつもお世話になっている周りの方々に相談しましたが、留学を後押ししてくれる声も多く、海外に出て勉強をして経験を積むことは長い目で見たときに自分にプラスに働くと思い始め、ついにアメリカ留学を決断しました。

この決断に至るまでに両親ともよく話をしました。
1度目に留学をしたいと話したときは、行ってこいと押し出してくれる感じだったのですが、最終決断の前に留学に行くか父の事業を継ぐ方向で進むのか迷っているときは、覚悟はどのくらいあるのか。やり切れるのか。をすごく聞かれました。
その時、留学をする条件として、「行くのであれば今目指してるアスレティックトレーナーになり切ること。将来的に事業を継ぐという道は無し。」というものを提示され退路を断って覚悟をもって留学に行けというメッセージを強く感じました。
それを踏まえたうえでやはり留学に挑戦したいという気持ちがあったので、自分自身も腹を括ることができました。「自分がやりたいことはしっかり調べて、連絡をとって、行くにあたって必要なものを全て説明する」という追加条件も全て答え、今も引き続きサポートをしてもらっているという形です。両親の存在は非常にありがたいです。

覚悟が決まってからは、オンラインのTOEFL対策講座を受講して勉強量を増やし質も上げられるようにし、とにかく突き詰めていきました。TOEFLを2、3回日本で受けたのですが、もう少しのところまでで点数が足りず、入学基準を渡航前に満たすことはできませんでした。
そして、渡航してから大学付属の語学学校に入校し、当初からの予定の9月入学を目指しました。タイミングが少し悪く、語学学校の初日の日がTOEFLの試験日で、とりあえず受験はしたもののあまりうまくいきませんでした。
日本で私が勉強していたものはTOEFL iBTというコンピューターベースのもので、語学学校で受験するのはTOEFL PBTというペーパーベースのものなので、内容に違いがありそこで少し戸惑いました。
ただ、もう一度受験のチャンスはありましたので、そこに向けしっかりとしたテスト対策をして、その時に無事合格できました。
それから、当初の予定通り9月から本入学をして今、大学生活を頑張っているところです。」

ホストファミリーについて

「現在滞在しているところは非常に良いホストです。家も広く綺麗です。最初はホストファザーと私の2人生活でしたが、途中からイタリアからの高校生がきて、今は3人で生活しています。
語学学校に通っていた時は、平日は大学の授業が終わって、勉強をして、ジムに行き、帰って勉強し、夕食を食べるという一日の流れでした。
今は、大学の授業やトレーナー活動がありイレギュラーなスケジュールになることもあるので、夕食は別々に食べることも増えてきました。

ホストファザーはフィリピン系のアメリカ人の方なのでアジアの文化にも詳しく、ルームメイトがイタリア人なので、多文化を学べる良い機会になっています。
週末はトレーナー活動があるので忙しいのですが、オフの日はジムに行ったりホストやルームメイトと出かけたりしています。ホストもよく色々なところへ連れて行ってくれます。」

授業の様子

「今学期取っている授業は英語、数学、心理学、運動学で、これとは別にトレーナー活動も単位に含まれているので合計16単位を履修しています。
まず、全体で共通しているのが英語で授業を受けていくのが大変です。
大学生活が本格的に始まってからも日本の友人達と連絡を取っていますが、日本の大学は課題なども少なそうな印象があります。日本の大学に在籍したことがあるわけではないのでわかりませんが、こちらは課題に毎日追われて、勉強をしていかないと振り落とされてしまう環境なので、そのあたりは日米の大学の違いを感じます。
今、目の前のことをしっかりやっていかないと先に進めない雰囲気をひしひしと実感しています。

私の場合特に予習に力を入れるようにしていて、授業で扱われる内容がしっかりと頭に入ってくるようにして工夫しています。1日の勉強時間は日によって変わりますが、月曜日と水曜日は9時から10時まで授業があり、その次が13時の授業なので、その間に課題や予習。火曜日と木曜日も授業の間に2時間空きがあるので、その時間に勉強をするようにして、隙間時間を有効に使えるようにしています。
午後の授業が終わり次第、ほぼ毎日アスレティックトレーナー活動をしていて、それが終わると夕食を食べ、再度勉強をして、ジムに行くような毎日を送っています。
その他には英語のクラスの教授がテニスをやっているので、時折一緒にテニスをすることもあったり、基本的にアクティブに活動しています。

あとは、色々と授業を受けていく中で、教授選びもすごく大切だと感じています。同じ科目でも教授によって進め方やグレードのつけ方が違うこともあるので、あらかじめ情報を把握して、自分に合う授業のスタイルを選んだ方が良いと考えています。
課題が多い分そこで点数を重ねられるクラスや、逆に課題が少ないけれどもテストの点数での一発勝負で成績がきまったり、小テストの有無、エキストラクレジットという追加で成績にプラスできるものを設けているかなど、色々な授業のスタイルがあります。
クラスメイトや友人の中にも教授の授業スタイルに合わずにクラスを辞めたり、変更してたりしているのを時折見かけました。
もちろん、英語力を伸ばして現地の学生と肩を並べるのが一番ですが、留学生に理解にある教授もいるので、そういう方々を味方にしながら勉強にも力を入れていきたいです。
特に4年制大学に編入するとなると成績はとても大切ですので。

今学期は、ミッドターム(中間試験のようなもの)の時点ではオールAで順調でした。ただ、この前の数学のテストで少し失敗してしまい、トレーナー活動で勉強量が減ってしまっていたのが原因かと思うので、タイムマネジメントを見直そうと思います。まだ巻き返しができる範囲なので切り替えて頑張ります!」

趣味をもつことの強み

「アメリカにきてから、ジムでトレーニングをする時間を増やしています。運動やトレーニングと日常生活の距離が近く、アメリカのフィットネス文化を感じています。
トレーニングも本格的にしていて、ジムで会う人とコミュニケーションを取ったり、同じカレッジに通う人にもよく遭遇しています。クラスメイトに会うこともあり、クラス内ではあまり話さなかった人でもジムで初めて話をしてそこから一緒にトレーニングをするなんてこともありました。
ここにきて思うのは、趣味や好きなことを1つでも持っていると、それだけで人との輪が人種や言語は関係なく繋がるということです。日本にいたときよりも共通のものを介した人間関係に壁を感じず、そこから広がる交友関係があるのでおもしろいです。
勉強も大切ですが、同時にスポーツや趣味などに熱中することも改めて意味のあるものだと思います。」

アスレティックトレーナー活動について

「秋学期はアメリカンフットボールや男女サッカーが多くかかわるスポーツです。シーズンオフの競技は練習だけなので、水の準備やアイシング等で関わりますが、試合などに帯同ということはありません。
アメフト関係でいうと、午後の練習前にヘッドトレーナーから許可が出たものの範囲で、選手にテーピングをやることもあります。毎週土曜日に試合があるので、ホームでもアウェイでも帯同しています。2時間半くらいのアウェイゲーム地に行くこともあり、色々な地域や学校の施設なども見れる機会なので、それも勉強になります。
試合中の役割としては、水分補給はもちろん、けが人のテーピングや予防のテーピング、アイシングなどです。アメフトはけが人や予防もふくめたテーピングがあり特に忙しい競技であると感じます。

大学でのトレーナー活動はすごく楽しいです。トレーナー志望の生徒が今は自分をいれた6名の日本人留学生だけですが、皆さんやさしい先輩です。

自分の関わった選手や、実際にテーピングを巻いた選手たちがプレーができている姿を見て、選手たちを支えることができていると実感できてやりがいを感じています。
アメリカに来てからさらにアスレティックトレーナーへのイメージが変わりました。自分のできることの範囲のみの認識にはなってしまいますが、そこでもやりがいや責任を強く感じる仕事ですし、ヘッドトレーナーの活動を見ていると知識や選手の情報を細かく把握していて、憧れともっと勉強しなくてはいけないという刺激になります。

よく聞く話ですが、大学や競技によっては選手に直接触れることが許されないなどの活動への制限があることもあるそうです。その点、マーセッドカレッジはなるべく多くの実践を可能な限りで積めるようにヘッドトレーナーの方がプログラムを組んでくれていますので、沢山の実経験が詰める場所だと思います。
特にテーピングなどは反復練習は大切で、アスレティックトレーナー間で練習するだけというわけでもなく、実際の選手にも巻かせてもらえることもあるので、非常にありがたい環境です。」

今後の目標

「まず1つ達成しなくてはいけないことはアスレティックトレーナーになることです。そのためには大学院までしっかり行ききることが必須なのでそこが目標になります。
あとは、編入をしていく上で大学を選んでいくことになりますが、スポーツの強さやプログラム内容、学費など、選ぶ基準になる要素が多く、色々な面からみて自分に合う大学選びをしなくてはいけないと思います。今は率直にNCAAのディビジョン1の大学に行ってトレーナー活動をするのが楽しいのだろうと感じています。
この先の選択肢を増やすため、良い成績が絶対条件です。後々後悔をしないように目の前の勉強一つ一つにもしっかり力をいれてこうと思います。」


勉強だけではなく、アスレティックトレーナー活動や趣味などもバランスよくこなし、様々な環境から学びを得る留学生活を送っている様子が伺えます。
アメリカの大学に行ったからこその感覚や、立ち回り方など、これから留学をしようと考えている方にとってはとても良いポイントをお話してくれました。
アスレティックトレーナー留学は、とても忙しい毎日になりますし大学院まで目指すとなると長い道のりです。だからこそやりがいがあり、その先のキャリアにも価値を見出せるものです。まだまだこれから大変なことがあるとは思いますが、友重さんには留学を志した時の覚悟を忘れずどんどんと前に進んでいって欲しいと思います。
これからの活躍が楽しみです。

YES JAPANでは引き続き、高い意識を持った学生が意義のある留学をできるようサポートしていきます。
留学相談を随時受け付けていますので、ご興味のある方は公式LINEまたはお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

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